『キラキラ』


明かりがゆっくりと灯るのは
待ち焦がれた夜の訪れに恥じらっているから
ためらうように瞬いて
ぼんやりとした影を足元に落とす
見れば誰もが頬を染めているように照らされる
氷の上を滑った夜風の中を
朱の帯を揺らして泳ぐ金魚たち
祭り囃子が途切れたら
さめてしまうから笑っていて
話し疲れたら
さみしくなるから飴をあげる
ラムネの匂いの冷たい手
七色の星を一つずつ
僕は緑のビー玉を口に入れた
こうでもしないと何言うかわかんない
見たくないけど見たい
そんな光
一つ一つ甘くして色をつけて
爪のように指先を飾って
透明ではかない一瞬の輝き
こんぺいとうの川の向こう岸を
ベガ
君が歩いている




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