・みみかして・
記憶のための記録




【2022年度版アトガキ】
ここまでお読みくださった皆様、アトガキからご覧になられる方も、ありがとうございます。
今回は少し修正加筆しています。当初無かった会話(チャット)の一部を書き足しました。

これはこの物語が『BAND-AID BRIDGE』と繋がっており、話が同時進行しているため、どの時期に何が起こり、諒介とラジオが絡んでいるのかを明らかにして『BB』で不明瞭だった点を少しですが明確に出来たと思っております。
その会話がされる「チャット」について、今回はお話ししましょう。

本作品の舞台は元々、90年代の終わり頃、という設定になっていました。
WWW(World Wide Web)が普及しつつあった頃、と言えば良いでしょうか。
諒介とラジオが利用していたのは、当時「パソコン通信」と呼ばれていて、「Webへの移行」が始まり、「パソコン通信」の時代が終わりつつあった、そういう年代です。
 当時はCGIによるテキストチャットしかありませんでした。最初にこの話を書いた時にもそのつもりで書いていましたが、時代を経て、現代版に直すにあたり、現在普及している『コミュニティサイト』を利用している、と書き直しました。

意識して書いたのは発言のペースです。
声で喋るのとは違う、「返事のずれ」などで「チャットでの会話」にリアリティを持たせるよう工夫してあります。
会話の内容が「超常現象」など現実味が無いので、ストーリー上の「現実」として描く為の工夫、となっています。

たとえネットを介していても、話していると伝わる空気感があるものです。
それを再現出来ただろうか、そこだけ、心配です。

やっと少し『北天』に触れる事も出来ました。
少しですが、これは大きな収穫だったと思います。次に『北天』に迫る為の一歩として。
私が重要視しているのは『北天』をめぐる人々であって、一人一人を大事に書いていると『北天』の謎になかなか近づけないのですが、ラジオを丹念に描いていれば、自ずと『北天』に近づく筈なので、ゆっくりやっていきたいと思います。
「時間のかかる作品」と第1話から覚悟をしています。よかったら、最後までおつきあいください。


佐倉蒼葉 2022.1.27